【検察庁を志望した動機】
                     私は、大学・大学院でシステム工学を専攻していたバリバリの理系で、就職先も理系の会社を考えていました。
                     そんなある日、偶然見ていたニュース番組で、検察庁の「デジタルフォレンジック」が特集されていました。
                     私は、その映像を見て、度肝を抜かれました。
                     当時の私の検察庁のイメージは、分厚い六法全書が並んだ「アナログの職場」というものでした。
                     ところが、そのニュース番組に映し出されていたのは、最新・高性能のパソコンがずらりと並び、それを管理する大きなサーバが中央に鎮座する、まさにSFに出てくる「超ハイテクノロジーの職場」だったのです。
                     これが、きっかけで私は検察庁に興味を持ち、企業研究を始め、「デジタルフォレンジック」は「特別刑事部」というところの業務であることを突き止めました。
                     しかも、私の地元である高松の検察庁には、特別刑事部があったのです!
                     これは、もう高松地方検察庁に入庁するしかないと強く思うようになりました。
                  
                    【検察庁に入庁するためにしたこと】
                     
                     就職先を高松地方検察庁に決めた後は、どうすれば高松地方検察庁に入庁できるか。どのようにして国家公務員試験に合格するかについて調べました。
                     高松地方検察庁に限らず、検察庁は技術区分の国家公務員試験合格者の採用はなく、行政区分の国家公務員試験合格者のみの採用しか行なわれておらず、それは今も変わりません。
                     そこで、私は、行政区分の国家公務員試験に合格するために徹底的に対策を練りました。
                     国家公務員試験は、教養科目と専門科目で構成されており、私は、専門科目対策に特に時間をかけました。
                     専門科目は複数の科目から受験する科目を選択するのですが、行政区分の試験だけあって、憲法、民法、行政法などの法律系科目が当然のようにありましたが、私は法律系科目を選択しない試験対策を取りました。
                     法律科目の代わりとして、数学の力を活かせるミクロ経済学とマクロ経済学、理系的思考を活かせる財政学や経営学など、経済系科目を選択し、何度も何度も過去の問題を解き続けました。
                     その結果、「行政区分」の国家公務員試験に合格することができました。
                     国家公務員試験合格後は、検察庁のことを調べ業務に対する理解を深めた後、高松地方検察庁に官庁訪問にも行き、採用面接に臨みました。
                     採用面接では、面接官から「理系であるのに、どうして検察庁に入庁したいのか?」という当然の質問がありましたが、私の考えを熱意を持って伝えたところ、納得していただいたように感じました。
                     逆に、面接官から、「検察庁では、今後ペーパレス化が進んでいくのですが、貴方が理系の大学・大学院で学んだことを活かせると思うのだけど、どうですか?」など技術的な質問を聞いたとき、検察庁は、理系の人間も必要としてくれる。自分が検察庁を志望したことは間違いではなかったと改めて思い、自信を持って自分の思いの丈をぶつけました。
                     その結果、今、高松地方検察庁で働くことができております。
                  
                    【これまでの業務で理系の知識や経験が活きたこと】
                     検察庁に入庁して10年目ですが、主に、情報システム管理課、特別刑事部、刑事部、会計課などで勤務しました。
                     検察庁は刑法、刑事訴訟法などの法律を根拠に仕事をしますので、最初は文系、特に法学の知識がなかったことに不安を感じていました。
                     しかし、入庁してから、段階別の研修により、法律について学ぶことができましたので、この不安はすぐになくなりました。
                     むしろ、検察庁は多様な事件に対応する必要があり様々な知識を必要とすることから、私が理系出身であることは、マイナス面ではなく、プラス面であると感じています。
                     これまでの経験で言うと、今担当している情報システム管理課は、サーバを用いて高松地方検察庁の情報システム端末の保守及び管理を行なっていますが、私が大学・大学院で学んだ、サーバが保存する情報を利用した適切な管理方法は、フルに活用されています。
                     特別刑事部では、押収したパソコンなどの電子的証拠の収集・保全・解析を行う業務を担当していましたが、押収したパソコンから、パソコンを傷つけずハードディスクを抜き取る作業の際には、大学・大学院で学んだパソコンの構造の知識やパソコンを自作した経験が非常に役に立ちました。
                     そして、保全・解析では、憧れどおり、最新・高性能のパソコンを使用し、しかも専用ソフトによる作業は、大学・大学院の設備ではできないもので、その興奮は今でも忘れていません。
                     会計課では、情報機器やHUBなどのネットワーク機器の仕様書が専門的な用語で作成されており、内容を正確に理解する際に、理系の知識が大いに役に立ちました。
                     そのほか、事件捜査はサイバー事件などが増えている中、検察官は知らない専門用語なども出てくるのですが、私が知っていたことにより検察官を補助し、事件捜査に当たったこともありました。
                  
                    【このページをご覧の皆様へ】
                     検察庁は、現在IT化が進んでおり、全ての業務において、以前よりも格段に理系の知識が求められています。
                     また、働き方も多様化しており、テレワークやウェブ会議も積極的に行なっていますので、これらの円滑な実施にも、理系の知識が役立っています。
                     以上のように、検察庁の業務において、理系の知識が求められる場面は年々増加しています。
                     理系の知識や経験を持っている皆さんが、検察庁に入庁すれば、大いに活躍できること間違いなしです!
                     是非、検察庁に入庁し、私と一緒に働いてみませんか!
                  
                      
                    
